「整体入門」を出版しましたら、読んだ人が抵抗と感じましたのは、自分で自分の体を正すとか、自分の体は自分で管理せよということに対することでした。多くの人は長い間、病気は他人になおしてもらうもの、自分の体の管理は専門家に任せるものという考えに慣らされてきたからでしょう。
知識が人間をつくったわけではありません。必要なものは栄養とし、不要なものは糞尿とし、毒なものは吐き痢して自分の体を作ってきたのです。インシュリンでもアドレナリンでも、必要に応じて作って生きているのです。他人の世話になる前に自分のちからの発揮を心がけるのは当然なことです。
自分の感じの中を確かめ、体の調子を知ることが管理の最初の問題なのだから、他人より自分が主役であるべきです。
また、気のことについてもいろいろ反論がありました。しかし人間の動的原理として、物においてエネルギーを想定していることと同じだと思っていただければよろしいと思います。これあって人間の行動が明らかになるのです。
1968年7月 野口晴哉
※「整体入門 あとがきに代えて」より抜粋(写真・野口晴哉先生)
野口晴哉(のぐち・はるちか)
現在、細川護熙元首相が会長を務める「社団法人整体協会」創設者。1911年東京生まれ。17歳で「自然健康保持会」を設立。整体操法制定委員会を設立し、療術界で中心的役割を果たす。
1956年文部省体育局より認可を受け「社団法人整体協会」を設立し、整体法に立脚した体育的教育活動に専念する。1976年没。「整体入門」筑摩書房¥630(税込)
社団法人整体協会 東京都世田谷区瀬田1-9-7 ☎03-3700-2777
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