「白い恋人」(左)と「面白い恋人」のパッケージデザイン=札幌市中央区で2011年11月28日、金子淳撮影
北海道を代表する土産菓子「白い恋人」を製造・販売する
石屋製菓(札幌市西区、島田俊平社長)が28日、吉本興業と子会社など3社に、類似商品の販売差し止めと廃棄を求めて札幌地裁に提訴した。吉本興業の子会社が発売した土産菓子「面白い恋人」に商品名や包装をまねされ、ブランドを侵害されたとしている。島田社長は「いくら何でも悪のりしている。こういうことがまかり通るなんてびっくりした。全然面白くない」と憤った。
原告側代理人などによると、白い恋人はクッキーにホワイトチョコレートを挟んだ菓子で、76年に発売され、商標登録もしている。12枚入り740円(税込み)など8種類があり、10年度は約72億円の売り上げがあった。
面白い恋人は10年7月に発売されたゴーフレット(みたらし味)で、16枚入り1050円(同)。関西の空港や主要駅などで販売され、インターネットなどで話題にもなった。昨年8月、特許庁に商標登録を出願したが、認められなかった。
包装デザインはいずれも白色の背景に青色と金色を基調としている。白い恋人は雪山がモチーフなのに対し、面白い恋人は大阪城が描かれている。
石屋製菓には「間違って買ってしまった」との苦情が数件あったという。発売当初は静観していたが、販売する店が増えたことなどから提訴した。原告側は「長年築き上げた信用や名声に便乗し不当な利益を得ようとしている」としている。
子会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシーの広報担当は「(面白い恋人は)大阪を代表するヒット商品。突然の提訴なので戸惑っている」と話している。【金子淳】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111129k0000m040041000c.html(毎日.jp)
パロディは、権利侵害になりやすい。本質をまねて元ネタを思い起こさせないと成立しないため。
実際はパロディに許諾を与える原作者は少ないでしょうから、訴訟覚悟となります。パロディーが登場することで、逆に元の宣伝になるような場合は、訴えられないでしょう。商標権侵害は、相手が「害になる」と判断すれば訴えます。逆に「宣伝になる」と判断すれば黙認するか、無料で許諾するでしょう。(参考:著作権法ガイド)
米国のフェアユースやフランスの著作権法では一部パロディを容認する条文がありますが、日本では無断使用は認められないと考えていいでしょう。
つまり、許諾を得るべきです。商品を売って利益を得ていますから、金の話になります。
古い裁判の考え方でいくと、「面白い恋人」−「白い恋人」=面 しか残らないからこれは商標を侵害しているというような判断をします※。「商標権侵害」のみならず、原告のコメントには「不正競争防止法違反」にあたる旨のコメントがありますね。
でもまぁ、許可をとっていないというのも、少々信じがたい話ですが。
パロディなら「面白い変人」にでもしておけばよかったですねー。
[商標ってなーに?]
商標は自己の商品やサービスを他社の商品やサービスと区別するための識別標識となるものです。
一般名称で表される商品を販売したりサービスを提供したりする場合、こちらのお店のことを知らせる名前をつけないとお客さまはこちらのお店を発見することができません。
例えばパンを販売するのにパン屋さんという名前で営業してもお客さまは口コミであなたのお店の情報を伝えることができません。
パン屋さんの場合であれば他のパン屋さんと区別するためのネーミングが必要です。例えば、「キャラット」という名前のパン屋さんであれば、キャラットという名前を持たないパン屋さんと区別することができます。
この場合、「キャラット」という名前を商標として選択し特許庁に商標登録の手続きをすることにより商標「キャラット」を独占することができます。
一度商標権を取得してしまえば、上記の例の場合であれば他人はパンを販売するのにキャラットという商標を使用することができません。使用すると権利侵害になります。
ちなみに商標権の侵害に対しては刑事罰の適用もあり、罰則金の最高額は3億円になります。
逆にパンの分野について他人が先に商標「キャラット」を取っている場合にはあなたはキャラットという商標を使用することができません。使用すれば商標権者から権利侵害であるとして訴えられることになります。
http://www.moselinux.com/(商標)
ちなみに博多の秋山食品の「赤い恋人」
(有)秋山食品さんの製造で、赤い恋人という名称は登録商標とのこと。150g魚肉ソーセージ形が3本入って、1,050円。
「白」と「赤」これも1文字しか違わない商品で名称が酷似するじゃないか…
めんたいこんにゃくとお菓子、間違いようがないじゃないですか。だからOKってなことです。
うまそうだね。
※「山葉楽器事件」参照http://t-otsuka.jugem.jp/?eid=514(有法地帯 バックナンバー)