<ツイッター>肖像権侵害 新潟地裁が投稿者情報開示命じる
- 2016.09.30 Friday
- 20:38
ツイッターでの虚偽投稿に娘の写真を無断転用され、肖像権を侵害されたとして、新潟市秋葉区の社会福祉士、大嶋陽さん(38)夫妻がプロバイダーの「つなぐネットコミュニケーションズ」(東京都)に、投稿者の個人情報開示を求めた訴訟の判決が30日、新潟地裁であった。近藤幸康裁判官は「投稿は本人の承諾があったとは言えず、肖像権の侵害に当たる」として、同社に投稿者の住所とマンション名を開示するよう命じた。
原告側弁護士によると、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上に無断で投稿された画像の肖像権侵害を認め、個人情報の開示を求める判決は例がないという。
判決などによると、大嶋さんは2014年8月、安全保障法制に反対するデモに向かう際、電車内で撮影した長女(当時0歳)の写真をツイッターに投稿。その写真が昨年7月、「国会前デモに連れて行かれた孫が熱中症で亡くなった」などと祖父母に成りすました虚偽の投稿に無断転用された。
近藤裁判官は「ウェブサービスで公開されていたからといって、不特定多数への公開を黙認していたとみることはできない」と指摘。プロバイダーはマンション単位で契約しており、個々の利用者の氏名などは把握していないため、開示命令は投稿者の住所とマンション名までとなった。
この問題を巡っては昨年9月、東京地裁が米ツイッター社に投稿者のIPアドレス(インターネット上の住所)の開示を命じる仮処分決定を下し、同社が同10月に開示。プロバイダーが判明したため、大嶋さんらが同12月に提訴していた。
被告側の代理人弁護士事務所は取材に「判決文が届いていないため、コメントできない」とした。【南茂芽育】