厚木基地騒音訴訟結審、最高裁が12月8日に判決 住民側「差し止め判決を」
- 2016.10.31 Monday
- 21:57
米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県)の周辺住民が騒音被害を訴え、国に夜間・早朝の自衛隊機と米軍機の飛行差し止めや損害賠償を求めた第4次厚木基地騒音訴訟で、飛行差し止めが争点となった行政訴訟の上告審弁論が31日、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)で開かれ、結審した。判決は12月8日。また、騒音被害による将来分の損害賠償を認容し、国に計約94億円の支払いを命じた民事訴訟も、同日に判決を言い渡す。
行政訴訟では自衛隊機の飛行差し止めの是非が、民事訴訟では将来分の賠償を認めるかが主な争点。
最高裁は2審の結論を変更する際に弁論を開く。自衛隊機のみ夜間・早朝(午後10時〜翌午前6時)の飛行差し止めを認めた2審東京高裁判決を見直す可能性がある。民事訴訟については、基地の騒音をめぐり将来分を認めなかった最高裁判例があるため、2審が見直される公算が大きい。
1審横浜地裁は、基地騒音訴訟で初めて夜間・早朝の自衛隊機の飛行差し止めを命じ、約70億円の賠償を認めた。2審も「平成28年末まで」の期限付きで差し止めたほか「騒音の発生は今後も見込まれる」と将来分の賠償を認定し、約94億円に増額した。
米軍機の飛行差し止めについては1、2審とも退け、最高裁が審理対象から排除している。
http://www.sankei.com/affairs/news/161031/afr1610310022-n1.html